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とある夏休みのお話

来年の6月に、花嫁となる専門学校の担任の先生に向けて、お祝いのウェディングブーケを手作りする事に決めた生徒全員は、言い出しっぺのC子を中心に、6人の選抜メンバーが、ブーケ作りの陣頭指揮を取る事になりました。材料となるアートフラワーの問屋に来るなり、場違いな場所に足を踏み入れてしまった事に気付いた、C子さんを除いた選抜メンバー5人は、これから始まるブーケ作りの壮大なる関門に気付き始めていました。そもそも、ウェディングブーケを手作りしようと言出だしたC子さんは、フラワーアーティストの先生に弟子入りしながら、フラワーアートを学んでいるので、基礎知識は持ち合わせていたとしても、まだまだど素人の領域なので、問屋内でも若干、私たちと同じように挙動不審な様子でいました。6階建てのビル全てが、アートフラワーの商品が、ところ狭しと立ち並ぶのですから、私たちは、荒野の中に放り投げだされた子猫のような面持ちで、店員さんと話し込むC子の帰りを待ちました。初めて訪れたアートフラワーの問屋は、フラワーアーティストなどの専門家たちのみが、立ち入る事ができるような空間としてプレッシャーが漂う店内でした。店員さんとの会話を終えたC子さんが、私たちの元に戻ってくると、ウェディングブーケに必要な小物類は全て6階のようなので、6階の売り場に移動すると言い出しました。皆で、エレベーターの乗り場まで移動しようとすると、C子さんが「今日は、あいにくエレベーター点検が入ってしまったので、階段のみ使用なんですって。」と言いながら、私たちを階段のある場所まで誘導してくれました。暗雲はこれだけではありませんでした。

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