生け花を始めて

私の両親は、外資系の空港会社にそれぞれ勤めている事もあり、海外出張が多い生活を送っています。そのような環境に育ったこともあり、私の身の回りの教育係は、母方の祖母が全般を担ってくれました。私は、母から、生け花を習うよりも先に、祖母から手ほどきを受けました。幼少期から、自宅に、子供用のおもちゃがほとんどなかったので、私は庭の草花で遊ぶ事が常でした。縁側で、庭の草花を束ねて、花瓶や剣山に生ける祖母の姿を見ながら、よく隣に座り真似をしたものです。祖母は、私の生ける生け花の手直しをしたことはありません。私が生けたいように、いつも生けさせてくれました。私は、祖母が生ける手元や、草花の扱い方を注意深く観察していたので、ほとんど注意を受けるような事はありあませんでした。海外遠征から帰国すると、母は必ず、花を生けます。この花が枯れないうちに、戻るからねと言いながら、楽しそうに花を生けていきますが、世話をするのは決まって私の役目です。生け花は、生ける場所や、生ける環境によって、その寿命は大きく変わるからです。陽の光が必要なものもあれば、そうではないもの、時には、先に朽ちたものを取り分けて、別の花瓶に生け変えたりもします。私は、母が生けた花々を、彼女の帰宅まで、枯らさないという使命感をもって毎日世話係をしています。父親は、生け花には興味はないようですが、人知れずフラワーアーティストとして私が著名な人物になるような夢を描いているようで、私の作品をスマートフォンで撮影しては、自身のインスタグラムに無名のフラワーアーティストの作品風に勝手にあげているようです。特に、「いいね」がたくさんつくと、楽しそうに教えてくれます。

カテゴリー: blog